【こんにちは 大塚矯正歯科クリニックの大塚 淳です】
今日の岡山は快晴です。
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湿度 33%
今日は患者さんからの質問です。
質問
矯正治療後の後戻りを防ぐ方法を教えて下さい。
回答
長い時間をかけて矯正した歯が元に戻っていく「後戻り」という現象は、我々矯正医にとっても患者様にとっても頭の痛い問題です。そもそも「なぜ歯は後戻りをするのか?」ということが科学的に解明されていない部分があります。一般的な「後戻り」の説明としては、歯の周りの骨や歯肉、唇や舌などの筋肉は、元の状態を覚えていますので、いったん歯並びが治っても、歯は元の方向に戻ろうとします。
これを防ぐには「保定装置(リテーナー)」を使用します。リテーナーには、基本的に大きく分けて(1)固定式と(2)取り外しできるタイプの2種類あります。それぞれ利点欠点があります。固定式の場合、多くは歯の裏側へ金属ワイヤーを接着剤で固定するものです。固定式では歯の裏側へ付くため、どうしても汚れが付き易く、虫歯、歯肉炎になる可能性が高くなります。取り外しができるタイプは、食事、歯ブラシをする時は、装置を外してから行いますので、衛生的かと思います。しかしながら、リテーナーの装置を忘れることがありますので、その点で少し心配です。
いつまでリテーナーを装着するかは、先生によって装置の種類、装着時間、期間等異なりますが、少なくとも歯を移動した期間、すなわち、治療に要した期間は、リテーナーを使っていただきたいと思います。
また、体の老化現象として髪の毛では、黒い髪がだんだん白髪になり、皮膚では「しわ」「シミ」などが挙げられます。実は、歯並びも老化現象があります。その一つとして、専門用語で「歯の生理的近心移動」といわれていますが、わかりやすく言い換えると、歯は、年齢とともに、自然に少しずつ前方へ動いていく傾向があることが挙げられます。そのため、治療に要した期間リテーナーを使った後、全くリテーナーの装置を中止すると、後戻りでなく、自然に歯が前方へ動く傾向があるため、特に前歯が少し凹凸になる可能性があります。そのため、リテーナーは、より長く使うほうが良いかと思われます。
以前、このコーナーでも書かせて頂きましたが、下顎の親知らずが、生えてくると、さらに後戻りを助長してしまうので、下顎の親知らずについても、早めに抜歯したほうがよろしいかと思います