成人矯正治療の注意点
矯正技術の向上や矯正材料の進歩、また、歯ならびやかみ合わせに対する関心が高くなり、
成人の方が、治療を希望されるケースが増えてきました。
成人矯正治療における注意点を考えてみました。
まず、患者さんが歯ならびのどの部分を気にされているのかをよく確認しなければなりません。
●歯の凹凸が気になっているのか、
●前歯が出ていて、その前歯の角度が気になるのか
●受け口が気になるのか?
●外見的な下顎の長さが気になるのか
●口元が出ている事が気になるか
●咬みあわせが気になるのか
●また、全部気になるのか?
このような患者さんの訴えを整理して、顔写真、口腔内写真、模型、
矯正特有のセファロレントゲン写真(上顎と下顎の骨格的なずれや、前歯の角度、
口元の位置などを分析できる)、また、全体的な歯の状態を診るパントモレントゲン写真などの詳しい検査を行い、治療方針を計画します。
特に成人の方の場合には
●虫歯の有無、●歯の神経の状態、●差し歯の有無 ●親知らずの有無 ●歯ぐきの状態
●歯の根の状態 ●欠損歯の有無など を考慮しなければならないので、
より慎重な治療計画が必要となります。
治療を計画するにあたり、上記の問題点がある場合、治療計画が当然、複数考えられることが多く、 「歯を抜かなければならないのか?」「それとも歯を抜かないで治療が可能なのか?」「手術が必要なのか?」患者さんと何回かお話をさせて頂き、患者さんが納得できるゴールを探す事が
一番大切かと思われます。また。矯正装置についても、「成人なので矯正している事が知られるのが恥ずかしい」ので「見えない矯正治療」を希望される方また、「透明な取り外しのできるタイプ」での治療を希望される方も大勢おいでになります。
矯正装置の選択については、適応できない症例の場合ありますので
慎重にご相談されることも重要です。
矯正費用についても医院によって、治療費の設定が異なります。
分割にした場合、手数料の有無、また、どのぐらい分割での支払いが可能なのか
通院ごとに処置料が必要な場合、治療が終了するまで、総額でおおよそいくら必要なのか
よく確認されることをお奨めします。また、治療期間や通院間隔についても
詳しく聞かれる事が
大切です。