プレオルソ開発者
「矯正専門医」大塚 淳の一診入魂

見えない矯正治療

診療室から

 一口に見えない矯正治療といっても、矯正治療の技術の進歩や、新しい素材の出現で
沢山の治療方法があります。大きく分けると
①取り外しのできる透明なプレートを使った装置
②歯の裏側へ装置を装着する固定式の装置・・・舌側矯正装置、裏側矯正装置、リンガル装置(歯の裏側はリンガルと呼ばれているため)などと一般的に呼ばれています。
今回は②について説明いたします。本文では、固定式の矯正装置を見えない矯正装置と呼ぶ事といたします。見えない矯正装置は、歯の大きな動きに対応できるので、歯並びの悪い全ての症例に適応できます。
★装置の装着方法により、2種類に分けることができます。
下顎の前歯は、装置が見えにくいので、下顎は通常の矯正装置(表側)を装着して
見えない矯正装置を上顎のみ装着する治療方法をハーフリンガル矯正、上下顎に見えない矯正装置を装着する治療方法をフルリンガル矯正に分けられます。
★見えない矯正治療の欠点の一つとして、装置がお口の中の内側に付くため、しゃべりにくいという事が挙げられます。しかし、ハーフリンガル矯正治療では、下顎は表側へ付くため、フルリンガル矯正治療に比べて、しゃべりやすいと言う利点が挙げられます。
また、費用についても、フルリンガル矯正治療に比べて安価である事も魅力の一つかと思われます。私の医院でも見えない矯正治療の約7割の患者さんがハーフリンガルを希望されます。
★装置についてですが。通常の矯正治療と異なり、見えない矯正治療の装置は全て、患者さんの個人の歯に合わせて一つずつ作成します。洋服に例えるとイージーオーダーでなく型紙から作る全てフルオダーです。そのため装置の製作には約1ヵ月程かかります。
★通院の間隔や治療期間については、通常の矯正装置と同じように月に一回の通院で、治療期間的も約2年を要します。
★歯ブラシについてですが、見えない矯正治療の場合、装置が内側へ付くため舌による
自浄作用によって、通常の矯正装置より虫歯になりにくいと言われていますが、
見えない矯正装置が、歯の裏側の歯茎に近い部分に装置が装着されるため、歯茎が腫れやすくなるため注意が必要です。
★毎回の治療時間ですが、通常の矯正治療と異なり、装置が裏側へ付いているため
ワイヤー交換などの手技に高度な技術と時間が必要とされます。
そのため、毎回約1時間を要します。

最新の見えない矯正装置は、非常にコンパクトで、違和感も少なく、また、操作しやすい
新しいタイプの装置が開発されています。しかしながら、上記の見えない矯正装置における基本的な特徴に変わりはありません。また、通常の矯正治療と異なり熟練した特殊な技術を要する治療であります。担当する先生とよくご相談して治療される事をお奨めします。

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