【こんにちは 大塚矯正歯科クリニックの大塚 淳です】
今日はお奨めの本です
未来の年表2
河合雅司著
本書は、25年後の2043年の日本の姿を描いています。勤労世代が大幅に減って総人口の7人に1人が80歳以上というちょっとイメージしにくい世の中になっています。既存の社会システムは多分機能不全に陥るでしょう。生きていくのが大変と感じるような社会が待ち受けているようです。
本格的な高齢者社会を迎え、孤独死も激増します。適切に相続登記されなかったことによる全国の所有者不明の土地は現在、既に九州の面積を上回っているそうですが、25年後には北海道の面積の約9割にまで増えるそうです。住む人も管理する人もいなくなった家と土地は荒れ放題となり、生活環境や治安の悪化につながります。森林の適正管理や公共事業の用地取得などにも支障を来すため、国土保全に関わる重大な問題となりそうです。
都会では入居者が減って荒廃するマンションが増えるそうです。高額のタワーマンションですら、幽霊屋敷化したり老人ホーム化したりするとも指摘しています。
erif”;mso-ascii-font-family:Century;mso-ascii-theme-font:minor-latin;mso-fareast-font-family:”MS 明朝”;mso-fareast-theme-font:minor-fareast;mso-hansi-font-family:Century;mso-hansi-theme-font:minor-latin”> 東京への一極集中が進んでいるのは人ばかりではありません。お金もそうです。地方の金融機関から都会のメガバンクへ個人の資産が流出しているそうです。地方で暮らす親が亡くなり、その子どもが都会で定住しているためです。もちろん、誰にも非はないわけですが、人も金もどんどん都会に吸い上げられれば、地方は衰退するばかりで、やるせないですね。
高齢者が増えれば公共交通の充実が求められるはずですが、実態はその逆。人口減少に伴って、路線バスや鉄道の路線廃止が全国的に顕著になっています。わが岡山の交通事情はどうなることでしょうか。少し心配です。
現代はキレやすい高齢者が増えているとも言われます。IT化などの流れに付いていけずにストレスを抱えてしまうことが背景の一つにあるのだと思いますが、高齢者が安心して暮らせる社会を築けなければ、この先もずっと増え続けていくのでしょうか。
さて、こうした事態が生まれる可能性を少しでも減らすために、著者はいくつかの提言をしています。
まずはできるだけ長く働くということ。私もその意見には大賛成です。年金の支給年齢を遅らせて社会保障に少しだけゆとりが生まれるかもしれませんし、本人の生きがいが健康につながり、医療費の伸びを緩やかにすることができるかもしれません。
単身赴任が少子化の元凶だとして、遠隔地への転勤をなくして可能な限り職住近接にすることを求めています。これを実現するには、企業の発想の転換が必要ですね。
本書を読むと、日本は安心して暮らせるための基盤が大きく揺らいでいることをあらためて実感します。後世に少しでも明るい社会を残せるのか、悲観しかない社会にしてしまうのか、今が正念場なのです。未来を生きる人たちに少しでも良い社会を残してあげたいですよね。