【こんにちは 大塚矯正歯科クリニックの大塚 淳です】
今日の岡山は快晴です。
外気温 9度
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今日は患者さんからの質問です。
矯正治療はなぜ歯を抜く場合があるのか?
前歯の角度は140度前後が理想
矯正治療について「できれば歯を抜かないで、治療を終えたい」。歯科医師ならだれしもが思っていると思います。
矯正治療では、歯は抜かなくても間違いなく「並ぶ」ことができます。しかし、ここで問題となるのが、上下の歯のおりなす角度です(図参照)。この角度の理想的な値は140度前後です。もし歯を抜かないで並べた場合、この角度が100度前後になると、かなり口元が出た感じになります。いわゆる「おサルさんのような口元」になります。
写真のケースは、上の歯と下の歯のおりなす角度が105度と急角度なので、図で見ると唇がイーラインを超えて、口元がかなり突出した感じになっています。
歯を抜かない矯正で口元が出てしまうことが多い
歯を抜かないで治療した結果、多くの患者さんの口元が出た感じ、すなわち唇が「イーライン」を超えていることがあります。これは「歯を絶対抜かないで治療する」ことを最優先される患者さんに多いケースです。治療計画の説明の時、「歯を抜かないで治療を行うと前歯の角度が変わりますよ」と言う説明をよく聞かず、歯を抜かないで治療をした場合に、口元が出てしまうことがあります。
レントゲン写真で角度を予測可能
では、治療の前に前歯の角度を予測できないのか? 以下の分析を行えば予測できます。
「セファロ」という矯正歯科特有の横顔を写すレントゲン写真があります(写真)。このレントゲンを撮影し、分析(セファロ分析と呼ぶ)を行うと、治療後の前歯の角度を予測できます(図参照)。
矯正治療の一般的な流れを確認しますと、初診→検査→診断(この検査の中にセファロというレントゲンの診断が行われます)。この診断時に、「歯を抜かないで治療した場合と、歯を抜いて治療した場合との前歯の角度の違い」をよく歯科医師に確認してから治療を始めることをお勧めします。