こんにちは、大塚矯正歯科クリニックの大塚 淳です。
今回は矯正のお話を一休みして、お奨めの本です。
少し題名は恐いですが、グイグイと引き込まれました。
大塚評
10年ほど前、奄美大島へ旅行に行った時、お約束の観光のルート「ハブセンター」
でハブをはじめて見た。
奄美大島より 帰りの飛行機の中で、この本をはじめて読んで、いたく感激し、
先日「完本」となったのを知り、再読したものである。
ハブは、南西諸島に全て生息しているわけでなく、飛び石状に分布しているらしい。
不思議な話だ。宮古島や与論島にはいないらしい。
ハブにも種類があり、奄美大島のヒメハブが (名前は可愛いが)一番毒は強いらしい(驚)
出血毒と言う組織を壊死させる毒をもっているらしい(本書に詳しい)
日本本島にもマムシと言う毒蛇が生息するが、ハブの毒の方が恐いらしい。
現地(奄美大島)を始めて訪れた沢井先生は、自分に作った血清の乏しい効果に愕然とする。
ここから話が展開してくる。ハブはねずみが好物で(この意味では、はぶは、益蛇?だ)、
ハブ酒も精がつくと言われており、ハブ酒は高級らしく値段も結構張る。
またハブの皮は財布、ベルト、カバン、重宝されているのはご存知のとおり
「毒さえなければ、ハブは最高の蛇だ」
このくだりがなかなか泣かせる。言い得て妙だ。
話は国内にとどまらず、台湾はては ブラジルまで及ぶ。
著者が薬科大の非常勤講師と言うも事もあり、学術的にも興味深い。
「実は私、一番苦手な生き物が蛇です」(笑)
著者略歴
小林 照幸(こばやし てるゆき、1968年(昭和43年)4月5日 – )は、長野県長野市出身のノンフィクション作家。長野県長野高等学校、信州大学経済学部卒。明治薬科大学非常勤講師。
九九年に大宅賞を史上最年少受賞した著者のデビュー作。奄美・沖縄そして台湾で、ハブ毒の血清治療に尽力した医師の半生を追う 昭和30年代、奄美大島や沖縄ではハブによる咬症被害が続出していた。現地を訪れ被害の深刻さを目撃した医師・沢井芳男は、半生を血清改良や予防ワクチンの開発に捧げる。やがて沢井は台湾、そして世界へ、その活動の場を広げていく。被害撲滅の情熱に燃えた男の軌跡を追った医学史発掘ノンフィクション・・・アマゾンより引用